パーキンソン病を発症して見られる症状の内、
典型的な運動症状は下記のとおりです。
①振戦(しんせん)
筋肉が収縮して、自分の意思に反して
震える現象。
手足を動かしている時や意識的に
止めようとした時に震えが止まる。
最初、身体の片側だけに見られるが、
病状が進行すると両側の手足に震えが
拡大する。
②筋固縮(きんこしゅく)
腕や足などが無意識にこわばり、
滑らかな動作が困難に。
他人から関節の曲げ伸ばしをされると、
不自然は動きになる。
③緩慢
一つ一つの動作が非常に小さく
なるため、歩幅が狭くなったり、
足が滑らかに前へ出なくなったりする。
④姿勢反射障害
パーキンソン病がある程度進行してから
表れるが、バランスを崩したとき
とっさに持ち直す機能が働かなくなるため、
転倒やふらつきが多くなる。
パーキンソン病を患う方が「緩慢」によって
小刻みな歩行をしたり、すくみ足になったり、
あるいは前のめりで歩く突進歩行といった
歩行障害が表れ、転倒したりケガをしたり
することが増えてきます。
骨折などで寝たきりになる可能性も
捨てきれないことからも、歩行障害を
リハビリで改善させる必要があります。
例えば、すくみ足になった場合の対処法は
下記のとおりです。
・その場で足踏みを繰り返してから、
前に進んでみる。
・「1・2・1・2」と声を出しながら
リズムを取ることで、聴覚に訴えてみる。
・最初の一歩目を後ろに引いてから
足を前に出すと、スムーズに一歩を踏み出せる。
・横に足を出す「カニ歩き」や
斜めに足を出す「スケート歩き」もよい
・石ころ、タイルなど目印になる物を
またぐようにすると足が出やすい。
・横向きのバーが先端についた杖、
レーザー光線が出る杖を使い、
またぐように足を出す。
・歩行器やシルバーカーを使ってみるのも
効果的。
パーキンソン病によって歩行障害が
表れることがありますが、
高齢者の方だと転倒して骨折、
そのまま寝たきりになるケースも
あります。
そうならないためにも、
リハビリを行うことが必要となり、
病院などで指導してもらうと
よいでしょう。
さらに、可能であれば自宅での
転倒防止のため、
室内をバリアフリー化する対策も
有効です。
介護保険には、住宅改修費用の
一部を援助してもらう制度もあるので、
利用してみるのもよいでしょう。