パーキンソン病では、脳内の神経伝達物質である
ドーパミンの量を増やす薬が主に用いられ、
初期段階であれば、薬によって症状を
コントロールしやすい状況にあります。
ところが、治療期間が長くなるに連れて、
薬の効果が表れない現象、
いわゆる“wearing off(ウェアリング・オフ)”現象
が表れたり、逆に薬の効果が効きすぎて自分の意思に
反して、手足が勝手に動いたりする現象(ジスキネジア)
が表れたりします。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]ウェアリング・オフの原因[/ip5_ornament]
“wearing off(ウェアリング・オフ)”が発生する
原因として、主に用いられる治療薬“L-ドパ”が、
服用してから短時間で代謝されてしまい、
血中からなくなってしまうことが挙げられます。
L-ドパは、脳に神経伝達物質のドーパミンを
補充するための薬ですが、パーキンソン病が
初期段階であれば、少しずつL-ドパが使用されて
効果が長続きします。
しかし、病気がが進行するに連れて、
ドーパミンの保存がしにくくなり、
すぐに使いきってしまうことになります。
そのため、L-ドパだけでなく、
その作用を長続きさせるCOMT阻害薬、MAO-B阻害薬
といった薬を併用したり、
違う作用機序のアデノシンA2A受容体拮抗薬を
用いたりすることがあります。
一方、ジスキネジアの場合、血中における薬の
濃度が高くなった場合に手足が勝手に動く症状を
招きます。
これは、パーキンソン病が進行すると、
ドーパミンを受ける側の神経の興奮の調節が
うまくできなくなってしまうために起こるのですが、
薬の服用量を減らすなどが検討されます。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
“wearing off(ウェアリング・オフ)”は、
パーキンソン病が進行すると、薬による脳内の
ドーパミンの補充が追いつかなくなるために
起こる現象です。
その他の薬を併用することにより、
“wearing off(ウェアリング・オフ)”
の影響を抑えることが可能ですので、
主治医に相談して指示を仰ぐように
しましょう。