パーキンソン病の特徴として、手足が震えたり、
筋肉がこわばったり、動作が遅くなったり
することが挙げられます。
病状は少しずつ進行していき、十数年後には
寝たきりになる方もいます。
50代以上の方に多く見られ、10万人に100人の
患者さんがいると言われています。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]パーキンソン病の症状の特徴[/ip5_ornament]
パーキンソン病の症状として、次の特徴が
見られます。
・片方の手の震え(安静時振戦(しんせん))や
歩き辛さ(歩行障害)が多く、前かがみで
小きざみに歩くようになる。
・筋肉のこわばり(歯車様固縮(こしゅく))や
手足の震え(振戦)が当初片側だけに表れたのが、
病状が進行するにつれて反対側にも表れるようになる。
・1歩目が出にくくなったり(すくみ足)、
歩幅が小さくなったりする(小きざみ歩行)。
・全体的に動作が遅くなり(動作緩慢(かんまん))、
方向転換や寝返りが苦手になる。
・歩いているうちに足が体に追いつかなくなり
(突進現象)、姿勢の反射も阻害されている
(姿勢反射障害)ために前のめりの姿勢を
立て直せず転倒することがある。
・その他にも、表情が乏しく
(仮面様顔貌(がんぼう))、 おでこや頬が
脂っぽくなるほか、自律神経系では
便秘や立ちくらみ(起立性低血圧)が現れる。
精神症状として、知能は正常に保たれるのが
一般的だが、うつ状態も見られる。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]パーキンソン病の検査[/ip5_ornament]
パーキンソン病かどうかは神経内科のある専門機関で
受診することが大切です。
診断にあたっては、左右差のある安静時振戦を
示すかどうか、筋肉のこわばりやすくみ足、
小きざみ歩行、動作の緩慢などがある場合、
パーキンソン病の疑いが高くなります。
頭部のMRI検査などで多発性脳梗塞などの
脳血管障害がないかどうか、脳萎縮がないか
どうかも確認します。
またパーキンソン病に似た症状を示す
脳血管性パーキンソニズム、
薬物性パーキンソニズム、多系統萎縮症と
いわれる変性疾患がないかどうか
考慮しなければなりません。
薬剤性パーキンソニズムでは服用を中止すると
症状が改善するため、そのような副作用が出ないか
薬を確認する必要があります。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]パーキンソン病の治療薬[/ip5_ornament]
発症する原因はまだ分かっていませんが、
発病すると脳の黒質にあるドーパミンという
神経伝達物質の分泌の減少が見られます。
そのため、治療法としてはドーパミンの減少を
補うための内服治療が中心になります。
ドーパミンになる前の段階(前駆物質)である
レボドパ(L‐ドーパ)を服用することで
不足を補うようにしますが、長期に亘って服用すると
効果が減少したり、血中濃度が変化するに連れて
表れる症状変動(ウェアリング・オフ現象)、
自分の意志とは無関係に口元が動いたり
体がくねったりする不随意(ふずいい)運動
(ジスキネジア)が現れることがあります。
最近では、そのようなレボドパ(L‐ドーパ)の
副作用を軽減するために、補助薬を併用することが
多くなりました。
例えば、ドーパミンを受け取りやすくする
ドーパミン受容体刺激薬(ビ・シフロール、
レキップ)、 ドーパミンの放出を促進する
アマンタジン (シンメトレル)、
ドーパミン分解阻害薬の セレギリン
(エフピー)などがあります。
それでも大した効果が見られず、症状が酷い場合は
外科的治療が行われます。
日常生活で介護が必要でなければ、
運動療法を中心とした リハビリも併行して
行う必要があります。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
パーキンソン病はお年寄りによく見られる疾病で、
手足が震えたり、筋肉がこわばったり、
動作が遅くなったりする症状が見られます。
すぐに完治するのが難しく、
長期に亘って対応していかなければなりません。
ドーパミンの不足が発症の一因とも考えられるために、
ドーパミンの不足を補う薬剤の投与が行われたり、
運動療法を中心としたリハビリも行ったりする
必要があります。