パーキンソン病の症状が悪化すると、
日常生活に支障が出るなど様々な悪影響が
出てきます。
そのため、介護サービスや医療補助などを
公的に受けられることにになりますが、
その判定基準として「ヤールの重症度分類」が
用いられます。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]ヤールの重症度分類[/ip5_ornament]
「ヤールの重症度分類」では、
症状に合わせてⅠ~Ⅴ度の5段階に
区分されます。
①ヤールⅠ度
症状が最も軽い段階で、
片側の手や足に震えが現れた状態です。
パーキンソン病が発病する要因として、
脳の神経伝達物質であるドーパミンの量が
重要ですが、それを生成する中脳の黒質が
変性して、ドーパミンの生成量が減少すると、
手や足の震えが発生したりします。
ヤールⅠ度の段階で治療を始めれば、
日常生活において介護は必要ない状態です。
②ヤールⅡ度
片側だけに現れていた手足の震えが
両側に現れるようになり、
不便が生じますが、介助までは不要なため、
独力で生活出来ます。
③ヤールⅢ度
この段階になると、「姿勢反射障害」などが
起こります。
「姿勢反射障害」は身体のバランスが保てず、
歩き出したら止まらなくなったり、
身体が勝手に傾いて倒れてしまったりします。
日常生活に支障をきたすようになりますが、
辛うじて生活出来、場合によっては家族から
サポートされながらも、自立した生活を
送ることが出来る状態です。
④ヤールⅣ度
酷い障害がみられるようになり、
なんとか歩行は出来るものの、通院、買物など
長距離を歩くことができなくなるため、
介助が一部必要になります。
⑤ヤールⅤ度
立つことが出来ない状態で、
ベッド上または車椅子で日常生活を
過ごすることを余儀なくされ、
全て介助に頼らざるを得ません。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]医療費の助成[/ip5_ornament]
「ヤールの重症度分類」と厚生労働省が作成した
「生活機能障害度」を表す分類は下記関係であり、
生活機能障害度Ⅱ度以上であれば、特定疾患の認定を
受け、医療費の助成を受けることが出来るように
なります。
ヤールⅠ~Ⅱ度:生活機能障害度Ⅰ度
ヤールⅢ~Ⅳ度:生活機能障害度Ⅱ度
ヤールⅤ度:生活機能障害度Ⅲ度
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
「ヤールの重症度分類」はパーキンソン病の症状の
度合いを示す指標ですが、「生活機能障害度」の
判定根拠にもなります。
医療費の助成を受けられるかどうかの
判定基準ですので、知っておくと将来役に
立つでしょう。