パーキンソン病は、お年寄りによく見られる他、
アメリカの俳優マイケル・J・フォックス氏が
発症した若年性パーキンソン病、薬の副作用
による薬剤性パーキンソン病などがあります。
いずれもすぐに完治するのは難しく、
治療も長期に亘ります。
介護する家族の負担も大きいことからも
医療費助成の対象とする疾患(特定疾患)の
一つとして、パーキンソン病が認定されています。
難病指定は、「難病指定医」のみができることに
なっているため、その先生がいる病院で診断を
受けなければなりません。
ところで、パーキンソン病は手足の震えなどが
特徴的に症状として表れますが、似たような
症状が他の病気でも起こります。
それらの症状をまとめて「パーキンソン症状
(パーキンソニズム)」と呼び、以下の4つの
症状の内、2つ以上該当すれば
「パーキンソニズム(またはパーキンソン症状)」、
パーキンソニズムを示すパーキンソン病以外の
原因によるものを「パーキンソン症候群」と
区別しています。
①手、足などが震える:振戦(しんせん)
②動作が緩慢になる:無動(むどう)
③筋肉が硬くなる:筋固縮(きんこしゅく)
④転びやすくなる:姿勢反射障害
発症原因としては、脳の変性疾患(
脳の特定細胞や組織が変性する)によるもの、
ある原因によるもの、の二つに分かれます。
脳の変性疾患として、パーキンソン病は
その内の一つであり、
「神経難病(指定難病)」に指定されています。
原因がはっきりしているものとして、
抗精神病薬による薬剤性、一酸化炭素中毒
などの後遺症による中毒性、多発性脳梗塞
などによる「脳血管障害性」、
ウィルソン病などによる代謝性などが
あります。
パーキンソン病は、根本原因は不明なものの、
脳の中脳にある「黒質」という神経細胞が
衰弱し減少している現象が見られます。
黒質の神経細胞が、脳の大脳基底核にある
「線条体」にまで伸ばし、シナプスを
形成します。
シナプスとは、2つの神経細胞の接合部の
ことを指し、神経伝達物質を放出する
「神経細胞突起終末」と受け皿である
「神経伝達物質受容体」から形成されて
います。
シナプスの伝達物質がドーパミンですが、
黒質の神経細胞が減少するとドーパミンの
放出も減り、パーキンソン病が発症する
可能性が高くなります。
不明であること、長期間に亘る治療が
必要で介護する家族の負担も大きい
ことから、国からは難病に指定されて
います。
研究が進み、パーキンソン病の進行を
遅らせる薬が開発されていますので、
主治医の指導の下、適切に対応しましょう。