一般的に知られているパーキンソン病では、
発症原因が解明されていません。
しかし、パーキンソン病と同じような症状が
出ており、その原因が明確に分かっている
ものとして「薬剤性パーキンソニズム」と
「脳血管性障害背パーキンソニズム」が
あります。
「薬剤性パーキンソン病」とは、正確には
「薬剤性パーキンソニズム」と呼ばれており、
原因は薬の副作用によって生じます。
パーキンソン病は、脳の中のドーパミンの
分泌量が減る現象が見られ、それを補う薬が
投与されます。
抗精神病薬や抗うつ薬といった精神神経用薬、
制吐薬など消化性潰瘍用薬にもドーパミン
拮抗作用があるので注意が必要です。
大脳にある神経線維が障害を受ける
白質脳症を起こす抗がん剤、
血圧降下剤のレセルピン、
頻尿治療薬に用いる塩酸プロピベリン、
ベーチェット病で投与する免疫抑制剤、
認知症薬、抗てんかん薬なども同様の
症状が出る可能性が あります。
抗ドパミン薬
・スルピリド(商品名ドグマチール、
アビリットなど)
抗精神病薬
・クロルプロマジン(商品名ウインタミン、
コントミンなど)
・ハロペリドール(商品名セレネースなど)
・リスペリドン(商品名リスパダールなど)
吐き気止め
・メトクロプラミド(商品名プリンペラン、
エリーテンなど)
降圧薬
・メチルドパ(商品名アルドメットなど)
・レセルピン(商品名アポプロンなど)
薬を必要量以上に投与されると、
次のような症状が見られます。
①振戦(震え)
主に手が小刻みに震える症状が出ます。
②固縮
筋肉が必要以上にこわばるため、
姿勢を維持するために変な体勢に
なっています。
③無動
普段見られていた表情が無くなり、
身体の動きが緩慢になっていきます。
イスから立ち上がったり、
歩くスピードがかなり遅くなります。
④姿勢保持障害
転んでしまいそうにはとっさに顔や頭部を
衝撃から守るべく防御反応を取るのが
普通ですが、瞬時に対応できず
転んでしまうことがあります。
薬剤の必要量以上を投与されてパーキンソン病に
似た症状が20日以内に表れるのが、
「薬剤性パーキンソニズム」の特徴です。
個人の判断で薬を服用するのを止めうのは危険なため、
主治医の判断を仰ぐようにしましょう。