パーキンソン病がなぜ発症するのかについて、
原因が不明であることから難病扱いにされて
います。
手足の震えが止まらなくなるなどの
「運動症状」のほか、うつ状態などの精神症状、
便秘、立ちくらみなどの自律神経症状といった
「非運動症状」も見られますが、
現在では研究が進み、完治は難しいものの、
症状の進行を遅らせることが可能になりました。
パーキンソン病を発症すると、脳の中の黒質
という神経細胞が減ることで、神経伝達物質の
ドーパミンの生成が減る現象が確認されています。
そのため、現在ではドーパミンを増やす薬を
用いることをメインとした治療が行われて
います。
その他にも、脳深部刺激療法(DBS)という
脳外科的な手術療法、リハビリなども
行われます。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]治療薬の副作用[/ip5_ornament]
ところで、ドーパミンを増やす薬を長期に
服用していると、様々な症状、副作用が
生じることがありますが、その問題点などを
まとめてみました。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]Lドパの薬効が減少した場合[/ip5_ornament]
ドーパミンを増やす薬として
よく用いられているのが、Lドパです。
服用初期の段階ではよく効いていたのが、
長期に服用すると効果が薄れてくる
ようになります。
胃酸で溶けて十二指腸で吸収される
Lドパは、歳を取るに連れて胃酸の分泌が
減少すると、Lドパの吸収が低下することに
なります。
その場合、レモン水やビタミンCなどと一緒に
摂取すると吸収率が改善されます。
また、牛乳や乳製品を摂取した後だと
胃の中でタンパク質の膜で覆われていること、
胃酸を中和する胃薬を服用することは、
いずれも吸収率が悪くなりますので
注意しましょう。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]ウエアリング・オフ現象が見られるとき[/ip5_ornament]
Lドパ服用が長期に亘ると、日中、
効果が効いている時間帯とそうでない
時間帯が表れることがあります。
それを「ウエアリング・オフ現象」と
言いますが、1日に服用するLドパを
最小限にするため、少量に分けて投与回数を
増やすなどの工夫が取られます。
薬効が低下しているオフ状態を
改善するために、
ドパミン受容体刺激薬(ドパミン・アゴニスト)
という薬を併用すると、効果の継続が
期待されます。今では、貼付薬も登場しています。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]不随意運動(ジスキネジア)が出た場合[/ip5_ornament]
Lドパを服用してから、自分の意思とは
関係なく、手足や身体が勝手にクネクネ
動いてしまう現象が見られることがあります。
それを不随意運動(ジスキネジア)と呼びますが、
Lドパの投与量を変更しても改善しないことが
あります。
高齢者ではジスキネジアの症状が
見られない傾向があり、それはLドパの吸収率が
悪いのが原因だと考えられています。
そのため、若年、中高年の方は
ドパミン受容体刺激薬を併用する
ことが望ましいとされ、
高齢者はドパミン受容体刺激薬の副作用が
出やすいためにLドパ主体での治療が行われます。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]幻視が見られる場合[/ip5_ornament]
抗パーキンソン病薬の服用によって、
幻視が見られる場合があります。
特に高齢の方や脳萎縮の強い方であれば、
幻視が出やすい傾向があり、
ご本人に恐怖を与えるようなものでなければ、
治療は不要です。
幻視を軽減するために
抗パーキンソン病薬を投与量を調整する場合、
逆にパーキンソン病の運動症状が再発する
可能性もあるので、主治医と相談しながら
対応することになります。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
パーキンソン病を発症すると、手足などの震え
といった運動症状、便秘やうつといった
非運動症状が見られます。
研究開発が進み、治療薬の投与で症状が
改善されるようになりましたが、
長期間に亘る服用のために、薬の副作用が
表れる場合があります。
投与量の調整、ドパミン受容体刺激薬などを
併用することで対処出来ますが、
主治医と相談しながら対応する必要があります。