脳の中にある「線条体」では、
「アセチルコリン」と呼ばれる物質と
「ドーパミン」と呼ばれる物質の
バランスによって、体の動きがうまく
コントロールされています。
ドーパミンは脳と脊髄の間にある脳幹部
という場所にある「黒質」という部分から
線条体に送られるのですが、
この黒質の細胞が変性してドーパミンの量が
低下するとパーキンソン病になります。
そのため、ドーパミンを増やす薬を
用いることが薬物治療で主流となっていますが、
長期に亘って服用すると副作用が発生します。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]パーキンソン病治療薬の副作用[/ip5_ornament]
主な副作用は次のとおりです。
①ジスキネジア(不随意運動)
自分の意思に反して手足や首がくねくねと
奇妙に動いてしまう症状で、
周囲に強い不安感を与えてしまいます。
薬の効果の出始めや終わりの時、
または血中でのLドーパの濃度が
ピークになった時など薬が効きすぎて
いるときに見られます。
②オン・オフ現象
パーキンソン病の症状が表れて動けなく
なったり(オフ状態)、その後、
急に動けるようになったり(オン状態)、
症状が急激に変化する状態を指します。
オン状態の際、ジスキネジアが伴うことも
あります。また、1時間以上続いたり、
逆に数分で治まる場合もあります。
③ウェアリング・オフ現象
日中、薬の効く時間とそうでない時間が
表れてしまう現象です。
線条体のドーパミン神経細胞の変性が
進むにつれて、薬の効く時間が短く
なってしまうのが原因と考えられており、
薬を飲めば症状が治まりますが、
すぐ効果がなくなってしまいます。
その他の副作用として、幻覚、焦燥感、
妄想、不安、眠気、睡眠障害、めまい、
うつ症状、頭痛、嘔吐、吐き気、
むねやけ、ふらつき、食欲不振、
視覚異常、口内炎、肝臓障害といった
症状も見られることがあります。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
パーキンソン病で薬物治療を行うと、
長期間服用するために副作用が
見られることがあります。
症状が出た場合、自己判断で飲む量を
増やしたり減らしたりすることは
後々悪影響を及ぼすことがありますので、
主治医と相談しながら服用量を
調整するようにしましょう。