パーキンソン病がなぜ発症するのかに
ついては、まだはっきりとした原因は
解明されていません。
発症は50代以上の方に多く見られる
こと、無動・震戦・筋固縮といった
症状が特に観察されますが、
脳の中の黒質と線条体に変性が起こり、
ドーパミンの量が不足している現象が
見られます。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]パーキンソン病でよく使われる薬[/ip5_ornament]
根本治療が困難なため対症療法に
ならざるを得ませんが、
薬物投与が治療の中心となります。
抗パーキンソン病薬の特質として、
①ドーパミンの作用を増強
②アセチルコリンの作用を減少させる
③ノルアドレナリンの作用を増強
が挙げられます。
①では、ドーパミンを体外から注入した
としても、血液脳関門を通過することが
出来ないため、ドーパミンの前駆体
(生成前の段階)であるレボドパが
利用されます。
レボドパが血管に入ると脱炭酸酵素に
よってドーパミンになりますが、
脱炭酸酵素がいたるところにあるため、
脳までたどりつくのは極わずかとなります。
そのため、レボドパを脳内へ移行する
確率を高めるために「脱炭酸酵素阻害薬」
(カルビドパ)が用いられますが、
カルビドパは血液脳関門を通過出来ません。
レボドパとカルビドパを組み合わせた
薬が「メネシット」、「ネオドパストン」
です。
またドーパミンがD2受容体を刺激する
ならば、同様に刺激する薬物も効果が
あるのではないかと考えられ、
開発されたのがブロモクリプチン
(商品名:パーロデル)です。
さらに、ドーパミンの放出を促進させる
アミンタジン(商品名:シンメトレル)、
脳内でのレボドパの合成を促進させる
ゾニサミド(商品名:トレリーフ)も
あります。
②について、パーキンソン病患者は
アセチルコリン量が増加し、
それがパーキンソン病に悪影響を
及ぼしています。
脳内アセチルコリンによる作用を
減らすために、トリヘキシフェニジル
(商品名:アーテン)が使用されます。
③では、すくみ足の患者では
脳内のノルアドレナリン量が
不足していることが分かっています。
脳内でノルアドレナリンに変換される
薬物として、ドロキシドパ
(商品名:ドプス)があります。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
パーキンソン病の発症原因は
解明されていませんが、
脳内のドーパミンが不足すると、
パーキンソン病になりやすい
現象が見られます。
そのため、薬剤としては、
ドーパミンの作用増強、
アセチルコリンの作用減少、
ノルアドレナリンの作用増強に
効果がある薬が用いられています。