パーキンソン病が原因で起こる痛みについては、
特有の症状とは限らないために痛みを
主治医に相談することが少ない傾向があり、
実際に痛みを訴える方は全体の4割程度だと
考えられています。
中でもうつ症状を伴う方は特に多いようです。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]パーキンソン病における痛みの原因[/ip5_ornament]
パーキンソン病による痛みの原因として、
次の4つがよく見受けられます。
①筋肉、骨関節由来のもの
身体の動作が緩慢になって関節の動きが
悪くなったり、筋固縮のために関節や
筋肉が痛むこと。
関節可動域訓練などの運動療法(リハビリ)
を行い、痛みがひどい時は消炎鎮痛剤を
内服します。
ホットパック(暖かい物質で患部を覆う
温湿布)などの物理療法も有効です。
②脊髄や末梢神経の圧迫によるもの
不自然な姿勢のために脊柱の並びに
ズレや歪みが生じ、中を通る脊髄や
神経根を圧迫すること。
例えば坐骨神経痛などがあり、
整形外科的な検査と治療が必要です。
③ジストニアによるもの
関節を動かす筋肉が異常収縮することを
ジストニアと言いますが、手足や姿勢の
位置が不自然に歪んで痛むこと。
抗パーキンソン病薬の内服時間と関係が
あり、薬の効果が切れてから起こる場合、
薬の副作用として出る場合のいずれかが
原因です。
薬の投薬量を考える必要があります。
④中枢神経の異常によるもの
自律神経や感覚神経系に変化が生じることで
痛みが発生する。いわゆるwearing-off(
ウェアリング・オフ)現象ですが、
offのときに憎悪しやすいようです。
offに伴う痛みにはレボドパの調整も
有効ですが、それでも改善が見られ
なければ、off症状の軽減に
皮下投与の自己注射製剤やDBSという
方法もあります。
[ip5_ornament design=”bg-deco-postit4″ width=””]まとめ[/ip5_ornament]
パーキンソン病の症状が見られると、
痛みが伴うことがあります。
特有の症状でなければ、痛みは違う原因から
生じていると考えてしまうことがあります。
痛みがあると日常生活に支障を来たすことにも
なりかねませんし、痛みに対処することで
パーキンソン病の進行を遅らせることも
可能です。
主治医と相談の上、理学療法、薬物療法、
運動療法、マッサージなど適切に対応
したいものです。